亡くなるまで待つ
家の近くの道路は拡幅される計画であるとのこと。
自宅マンションを購入するときに聞かされたことだから間違いないだろう。
計画では、道の先から池袋側にトンネルが掘られて一挙に抜ける道になるらしい。
そうなると、車でも池袋までわずか8分の土地である。
ところが一向に計画が進んでいるようには見えない。
道路用地とされている場所にも、家が新築される有様。
地権者が買収に応じないというのが現状。
こういう場合、役所はどういう対応をするか。
待つのである。地権者が亡くなるまで。
その子供が相続税を払えず、土地を手放すのを待つのである。
なんとも気の長い話ではあるが、役所仕事の真骨頂を目の当たりにして、「なるほど」と妙に感心せざるを得ない。
東電も、体質は役所と同じなのだろう。
被害者が亡くなるまで首をすくめて待ち、その後、子供たちと交渉をする。
子供たちは、わずかばかりの補償金でも無いよりはましということで示談を受け入れてしまう。そうなる時期を待っているのだろう。
解決するには、数十年かかるが、一番現実的な方法だと思う。
果たして、我が家の前の幹線道路のトンネルができるのと、放射能被害の町との示談が成立するのはどちらが早いか。
それとも、私の寿命ではどちらの結論も、見ることができないか。
つらつらと思う今日このごろである。