統一發票
統一發票。
聞きなれない単語ですよね。
日本には存在しないので当たり前ですが。
台湾ではレシートや領収証に一意の番号が振られています。
発音は「トォンイー・ファーピィアオ」です。
元々、台湾では個人事業主が多く、所得の申告が正しく行われておらず(というか正しく行う人がおらず)当局が悩んだ末に導入したのが統一發票の制度でした。
筆者が初めて台湾で暮らした時代の、確か1985年に本格導入されたもので、当時、個人事業主からの抵抗はものすごいものだったと記憶しております。
彼らが抵抗したのは、いままで個々でいい加減に出してOKだった領収証が駄目になり、番号の振られた統一發票以外認められくなったためにわざわざ官制の領収証用紙を購入しなくてはならなくなったことが表面上の理由。
それよりも、個人事業主が最も恐れたのは今まで適当に売り上げを申告して認められていたものが、統一發票から税務当局が徴税対象を追跡できるようになったことです。
当局がどのように導入を促進したかといえば、証憑上に振られている番号を宝くじ形式にしたのです。レシートに振られている番号が当たり外れの番号で毎月当選発表があります。現在は日本円で一等は3000万円だそうです。
当初はみな懐疑的で「政府がそんな金を出すか」とたかをくくっていました。しかし、実際に当選金を受け取った人々が増えると、一挙に統一發票が普及し始めました。
領収証を発行しない商店や、従来の領収証で済まそうとする業者に対して、消費者が「NO、統一發票を発行してくれ」と迫るようになったのです。
その結果、売上げの申告を發票の金額より少なくすることが出来なくなり国税の収入が増えました。
当初は根付くかどうかとても怪しいと知識人やマスコミも懐疑的でしたが、およそ20年経った現在、レシートや領収証集めに奔走する人々が出てくる状況を考えると、導入は有効であったと考えます。
日本の税務当局の大きな悩みのひとつ、流入外国人が不法に行う商売からの徴税、ぜひ参考にしてもらいたい制度です。
2月21日の読売新聞の記事に取り上げられた統一發票の記事に対する感想でした。