私も日本も再生が不可欠だ

日々の雑感です。興味を惹かれたこと、やるせない思い、昔話など思いついたままに綴ります。

母の味、祖母の味

朝はパンにコーヒーだから・・・って
味噌汁を飲まない朝ご飯なんて無味乾燥な。

年をとった今はともかく、若い頃には味噌汁とお新香だけで何杯もご飯を掻き込めたものだ。最後はご飯に味噌汁をぶっ掛けて。

芽室という田舎で育った母であったが、味噌汁は洗練されていた。
彼女の先祖が北海道に入植する以前は岩手の二戸というところに在があったという。その土地の味を受け継いでいるかどうかは行ったことが無いので分からない。

話は変わるが、私は幼少の頃、祖母に可愛がられていた。
学校に上がっても休みの度に祖母の家で過ごしていた。

祖母の家でも朝ごはんを食べる。
もちろん母の味噌汁とは仕立てが違う。
やたら味噌っかすの多い味噌汁だったが美味しかった。

というわけで、私の子供時代に食べた味噌汁の味は二種類。
どちらも懐かしい味である。

今回、故有って、祖母の父(私の曽祖父)が生まれ育った会津若松へ行く機会があり、土地の古い旅館で驚いたのは朝食の味噌汁の味が祖母の作ったものと非常に似ていたこと。

何件か違う旅館に泊まったがどこも似たり寄ったりで、どうも、祖母の味噌汁の味は会津標準の味噌汁なのではないかと思う。
数十年の時を経て再びめぐり合った味だった。

ちなみに祖母はご飯を作るとは言わない。「拵える」もしくは「こさえる」という。味噌汁は「おつゆ」といいお新香は「おこうこう」である。

ちなみに会津は祖母方の家系であるが、祖母は離婚をして旧姓に戻し、女手一つで子供を育てたため、父も私も姓は長崎である。

さて、その長崎は会津以前、元々は伊那高遠から来たのだという。
というわけで、伊那高遠にも物見遊山で行ったのだが、これまたびっくり。
旅館の味噌汁の味が祖母のものとそっくりではないか。
味噌っかすの多いあの懐かしい味なのだ。

会津も伊那も寒い地方で味噌汁はそうならざるを得なかったので似ているだけなのかも知れない。
ただ、関が原以来400年、同じ味を受け継いできた人たちがいるんだなと考えたほうがロマンがあるような気がする。