日本式
バブル崩壊から四半世紀。
昭和の終焉と重なって日本の時代はあそこで終わりかという感慨が無くもありません。
石原裕次郎が手術に成功して、ビルの上から手を振っていたと思ったらあっという間に逝ってしまいました。
バブルはその後2年も続き、株をやらないものは阿呆だとよく言われたものです。
手に入れたものもあったけれど失ったものの大きさとは比べ物になりません。
よく太平洋戦争での敗戦が日本人を変節させたといわれています。
確かにその通りかもしませんが、それはあくまで制度上の話であって、日本人が古来持つ美徳が変わったとは思えません。
事実、その後も昭和の奇跡ともいわれる復興を果たし、国際社会の主要メンバーに再度躍り出たのですから。
むしろバブルおよびその崩壊は、潜在的に綿々と続いていた日本人固有の美徳を失わせるきっかけになったと考えます。
バブルがもたらしたものはなりふり構わず金銭を追いかける、借金までして自分の身丈以上の奢侈な生活をするなど、それまでは賤しいと卑下されてきた人間の姿そのものです。それが推奨され、それがスタンダードになり美しき日本人の姿がだんだんと失われていったのです。
はじけて四半世紀、未だに日本は立ち直れずにいる。
そう評する人も沢山いますが、私から見れば立ち直れないのではなく、バブルが崩壊してもなお、日本人は美徳を回復することが出来ず相変わらず賤しいままなのが原因のような気がします。
民は独立自尊を忘れ公に頼る。公は政を正さず借金ばかりを重ね、挙句には税の取立てばかりを厳しくする。
これらは社会の問題ではなく根本的には個々が日本人としての美徳を失った結果です。
要は、根本から変えて行かないと、我々はギリシャを笑えなくなります。
美徳を失わせたその大きな病痾は教育にあります。
大戦後に制度が変わったと述べましたが、教育も大きく変わっているのです。
自己崇拝ばかりが強調され、優れた人に学ぶ師事するということがなくなりました。今は自分が最も偉いと勘違いしている人間ばかりです。
書物も読まなくなりました。昨今は時間があればツイッターです。
ツイッターを何百時間みようとやろうと一冊の良書には敵いません。
美徳も学問も忘れた日本人は朝鮮人や中国人となんら変わらない存在です。昭和で積み上げた経済的資産も今は費やすのみ。それさえも費えたあかつきには誰も日本など見向きもしなくなるでしょう。それこそ隣国もやりたい放題になります。
今、日本は大きな変革が必要な時期に来ています。制度上だけではなくもっと人間に踏み込んだ変革です。