私も日本も再生が不可欠だ

日々の雑感です。興味を惹かれたこと、やるせない思い、昔話など思いついたままに綴ります。

4重の綱渡り

さて、先日記事に書いた福島第一四号炉の核燃料移送ですが、無事キャスクに22本収められたとマスメディアもこぞって「♪目出た目出たぁ~のわか~まぁ~つさぁ~まぁ~の」という風潮ですが…
 
こちらは観客がたくさんいる中での綱渡りショウですよね。
失敗すると日本はアウトだと聞かされているので見物客はみなはらはらです。
 
その実、影で見物客のいない別の三つの綱渡りが行われていることは知らされていないと思います。同じく失敗すると日本はアウト!なのですが、報道さえされません。
 
まず、四号炉のプールから移送された燃料棒は共用プールに安置しなくてはなりません。キャスクに格納した燃料棒を再度キャスクから取り出して、共用プールに安置するわけです。
 
四号炉から取り出すときにはあれほど、危険だとあおっていたモーニングショウも共用プールでキャスクから燃料棒を取り出して安置する危険性はまったく報道しません。
 
危なさは変わらないのに、無知とは怖いことです。
取り出す際、もしくは安置箇所へ挿入する際に失敗すると燃料棒が破壊されて、やはり日本はアウト!!になります。
 
二つ目は先日も述べましたが、燃料棒保管のスペースの不足です。
燃料棒は四号炉だけで少なくとも1500本はあるのに、安置スペースの余剰は1000本分ありません。
 
どうするかというと、共用スペースにある比較的熱産生がおさまった燃料棒を乾式キャスクに格納して、別の場所へ移送するというものです。
これも、失敗して燃料棒を傷つけたりすると日本はアウト!!!になる危険な作業ですが報道されたことはありません。
 
三つ目はその乾式キャスクです。
熱産生がおさまったとされる燃料棒を格納するのですが、本当にそうでしょうか。
まだ、あっついあっつい棒を無理やり仕舞おうとしてないでしょうかね。
 
共用プールにある燃料棒がすべて冷えて安全な状態にあるなら、すでに乾式キャスクに移していてもおかしくないはずなのに、ずっと水冷を続けてきた。空冷にしても大丈夫だという判断をどうして今したのでしょう。
 
話せば話すだけ、疑問や反対が起こるので、東電はなるべく最小限の情報しか提示したくないのでしょうが、もしも取り返しのつかない事故が起こったとき、また言うのでしょうか「想定外だった」と。