私も日本も再生が不可欠だ

日々の雑感です。興味を惹かれたこと、やるせない思い、昔話など思いついたままに綴ります。

坂の上の雲

 
来月からシリーズ第3部が始まるという。
見たいのは山々なのだが、初回を見逃してしまった関係で、その後もきっかけを失ってしまった。
 
日本海軍の父といわれる山本權兵衛。
テレビドラマだから美化されて映像化されているに違いない。
首相になる以前の話なのでなおさらだと思う。
悪役をやることがない石坂さんが演じているし。
だが、史実は山本が清廉潔白の人ではなかったことを物語る。
 
私の祖母の叔父(祖母の父の4歳違いの兄)にあたる当時の海軍主計代監(大佐)だった人は複数名の海軍高官がドイツの会社から賄賂を受け取っていたことを内部告発した。
もちろん、その中には山本權兵衛の黙諾も含まれていた。
 
現在こそ、内部告発は時々行われるが、当時としては非常に稀でかつ危険であり、勇気のいる行動だったのだろうと察する。
海軍に予備籍を置きながら国会議員として活動し、古巣を告発するなどよほど腹に据えかねた状況があったに違いない。
 
祖母は叔父から聞いた話として「告発前後から常に憲兵に見張られていて自由な議員活動も儘ならない」と私の父に語っている。
「少しでも過ちを犯せば、即時連行される恐れがあった」とも。
その後、山本らの圧力で免官、位記勲記を半ば褫奪のような形で返上させられ、市井の人となった後にも何度も命を狙われたようだ。
 
結局命がけの告発だったにも関わらず、事の顛末はトカゲの尻尾切りで終幕。
彼にとっては不本意な結末だったに違いない。
ただ、民衆からの人気は有ったようなので少しは救われている。
代々幡の議員になり、最後には町長も務めた。
 
さて、山本權兵衛の件。
ここまで美化してしまっては真実の姿も描けまい。
これから100年後、ロッキード田中角栄も美化される時代が来るのであろうか。