無常無情(再掲)
なくてはならぬもの。
かけがえのないものとも言い換えられる。
果たして、どんなものがあるだろう。
配偶者、家族、友人、恋人、故郷?
家、仕事、車、ご飯?
若い人だと携帯電話というかもしれない。
翻って、「あれば便利かも知れない」というものが巷に溢れていることも事実。
その「あれば便利かも知れない」ものを維持するために、人は身を削って働き、社会は巨大な怪物を作った。
人々は40年間、何とか怪物を制御してきたが、3月11日の大震災がその制御を奪った。
なんと言う皮肉であろうか。
「あれば便利かも知れない」ということはなくてもよいということ。
なくてもよいものを維持するために作った怪物が、数多くの「なくてはならない」ものを奪ってしまった。
再びなくてもよいもののために奴隷のように働き、挙句にはかけがえのないものを奪われるのだ。
2011年9月26日