私も日本も再生が不可欠だ

日々の雑感です。興味を惹かれたこと、やるせない思い、昔話など思いついたままに綴ります。

パトローネ

本気で写真家を目指していたことがある。
 
おかげで昔のフィルムは自分で現像したモノクロばかり。
ロールをつなげるとどのくらいの長さになるだろうか。
 
学生の分際で趣味に注ぎ込める金銭は限られている。
その中からフィルム代、印画紙代などを捻出していたのだとは分かっているが、どの様にやりくりをしていたのか、遠い昔の話でもう記憶の糸にも引っ掛からない。
 
Mam, don't take my kodakrome
 
カラーフィルムは余り使わなかった・・・
社会人になってリバーサルフィルムを惜しげなく使える自分に驚いた。
それが自分の中で大きくなる程、青い夢はかなわぬことを痛感し、尖った自我と破壊衝動は飼い慣らされた。
 
それでもまぶたの裏に甦る、街のカメラ店にひっそり並べられていた外国製のフイルム。
目にする度に、いつかは世界で通用する人間になりたいと。
 
黄色い箱はその世界への小さな一歩だったように思う。
緑の箱、少し高い。黄色い箱、消費期限切れが近いので安売り。
 
若さゆえ難しい選択だったな。
今でもか・・・
 
またひとつの時代が幕を閉じる。